魚のカルトッチョ ~ 魚の紙包み焼き
Pesce al Cartoccio
青い海の香りが封じ込められ、その包みを開ける瞬間ワクワクとする料理。
イタリアと日本、どちらも海に面した国で新鮮素材が豊富にあったことから、多くの料理はシンプルに味付けされてきたことなどよく似ています。調味材料が異なっても、調理方法に共通点が多々あるのも頷けます。
今回取り上げる調理法もカルトッチョという紙で包んで焼く料理で、さしずめ日本では『奉書焼き』と言われる高級料理の一つ。(お隣の仏料理にもパピヨットという同じように紙包み焼きがあります。)
材料を生または半過熱状態で包み込んで蒸し焼きにされるので、素材に含まれる水分で柔らかくジューシーになり、旨味を逃さず、包みを開けた瞬間白い湯気と共にぱっと馥郁たる香りが広がるので、魚介のパスタなどもカルトッチョ仕立てで演出されたりもします。
そんな新鮮なイタリアの海の幸を包み込んで、シンプル・簡単・でも超美味しくなるこの調理法を使って、メインディッシュ(セコンドピアット)を季節の野菜とフレッシュな香草でアクセントを効かせて作ってみましょう。
材料:4人分
下準備:
作り方:
「IL PIATTO E' PRONTO!,BUON APETTITO!」
さて、今回ご紹介したカルトッチョ。日本でもよく食べられるホイル焼きにもよく似ています。同じ鮮魚を使って、付け合わせの野菜と調味料を変えれば立派な和食に応用できる一品です。
一例として、鮮魚のほかに長ネギ(cipolotti)を2cm厚さの斜め切りにしたもの、種を取出したしし唐、3cm厚さの斜め切りにした人参をそれぞれ魚の横に彩りよく並べ、あれば戻したワカメを魚の下に敷き詰め日本酒を軽く振り、先のカルトッチョ同様にオーブンシートで包み閉じ焼き上げます。醤油3:酢2:レモン汁1を合わせて作ったポン酢風たれを添えて和風おもてなし料理として変身。フライパンでも手軽に作ることも可。(焼き方は十分に熱したフライパンに直に並べて、始めの2分間は強火で残りは中弱火にして火を通す。)魚の種類ですが、この地域でよく見かけるのはスズキ(spigola)、黒鯛(orata)、真鯛(pagro)、舌平目(sogliola)、ヒラメ(rombo)などの淡白なものからキングサーモン(salmone)のような脂肪分の多い魚または鯖(sgombro)のような青魚も日本の魚と同種類でなじみ多く、合わせるハーブや季節の野菜、柑橘類次第でこの調理法に適してしまうからバリエーションも広がるはず。イタリアンなカルトッチョと和風の紙包み焼き-何とも甲乙付け難い魅力の調理法です。
《協力:後藤 知美さん》