ジャガイモとベビーいんげん入りパスタのジェノヴェーゼ風ペースト和え

Pasta al pesto alla genovese con fagiolini e patate

『王家の薬草』の別名があるバジリコはトマトとの相性抜群であることから、夏のイタリア料理の名脇役としてこの季節大活躍です。その心地よい甘さのあるスパイシーな香りは、口当たりが爽やかで暑いローマの夏の食卓にも清涼感をもたらしてくれることが期待されます。そこで、今回はそのバジリコを主役にした『ペースト・ジェノヴェーゼ』を地元のローマで収穫されるバジリコと松の実を使い、鮮やかな緑を愛で、香りそして食す『パスタ・アル・ペースト・アッラ・ジェノヴェーゼ・コン・ファッジョリーニ・エ・パターテ』をご紹介いたします。

材料: (4人分)

  • お好みの形状パスタ ・・・ 350g
  • ジャガイモ ・・・ 中3個(約500g)
  • ベビーいんげん ・・・ 一掴み(約100g)
  • トッピング用粉チーズ ・・・ 適宜
  • 粗塩(パスタ茹で用) ・・・ 適宜

 **ペースト・アッラ・ジェノヴェーゼ**

  • バジリコの葉 ・・・ 両手にいっぱい(約80g)
  • 松の実(pinoli) ・・・ 大さじ4杯(45g)
  • パルミジャーノまたはグラノパダーノの細粗き ・・・ 25g
  • あればペコリーノ(羊の硬質チーズ)の細粗き ・・・ 15g
  • にんにく ・・・ 1~2片
  • 粗塩(サーレ・グロッソ) ・・・ 約小さじ⅓
  • エキストラ・ヴァージン・オリーヴオイル ・・・ 約60cc+20cc(酸化防止に表面に覆う分)

作り方:

  1. ペーストを作ります。バジリコの葉は水洗いした後、キッチンペーパーなどを使ってよく乾かしますが、できるだけ葉を気づ付けないよう優しく押さえるようにします。ここから、ミキサーやフードプロセッサーなど潰す機能を使えばクリーミーに仕上がり、簡単にペースト状になりますが何秒も続けてマシンのメタルの刃を回すと、肝心なバジリコの葉緑素が酸化して黒ずんでしまいます。そこで、容器になるワークボウルとメタルの刃は冷蔵庫で十分冷やしてから使用すること。そして、材料も15分程冷蔵庫へ入れてから投入すること。刃を回す際には、パルス機能で1、2秒ずつ小刻みに回すこと。以上の点に注意すれば、美しい緑色が過熱後にも保たれます。さて、ジェノバの人のように大理石製のすり鉢と木製のすりこぎをお持ちであれば、軽く汗をかきながらじっくりすり潰していきましょう。大理石のmortaio(乳鉢)がなくても陶器のすり鉢があれば、こちらも冷蔵庫で十分冷やしてからすり潰し作業に入ります。(手間はかかりますが、アロマテラピー効果十分なのでお勧めします。)何れにしても、大きく堅い物から順に潰していきます。にんにく、松の実の粒が目立たないくらいになったら、サーレ・グロッソも入れて潰します。次に、バジリコをギュツギュッと潰していくのですが、この分量なら4~5分も続ければしっかり潰れます。そして、粉チーズ類を加え、オリーヴオイルで全体を絡めながら滑らかに仕上げます。《保存する場合は、粉チーズ類は加えません。小さなガラスの容器へ移してオリーヴオイルを表面に覆うように十分に回しかけて蓋をして冷蔵するか、冷凍保存するなら一人分ずつをラップなどで空気に触れないよう覆っておけば、使いたいときに取り出しも解凍も簡単です。》**バジリコの葉は、温度が上昇すると酸化酵素が働いて褐色が進むため、加熱直前まで低温を保つこと、空気に直接触れる時間を短縮することが大切です。
  2. パスタを茹でる大鍋にたっぷりの湯を沸かします。ジャガイモは、皮を剥き1、5cm幅のいちょう切りに、ベビーいんげんはへたを取り除き、長さを半分に切り揃えておきます。
  3. 大鍋の湯が沸騰したら、サーレ・グロッソを加え(パスタ100gに対し水1リットル、塩小さじ2(約10g)が目安。)パスタを投入し、軽く混ぜ湯の中に全体が沈んだら、常時沸騰状態を保つよう強火で茹でます。パスタの表示時間に従って茹で時間を計り、下処理したジャガイモとベビーいんげんを8分程、パスタと一緒に茹で上がるように逆算して、材料を同じ茹で汁の中へ加えていきます。
  4. 茹で上がり直前に、大きめの器へ準備したペーストを薄く広げて入れておきます。パスタが硬めのアルデンテに茹で上がったら、茹で汁をお玉で3~4杯分程別に取り分けておき、ペーストの器へジャガイモとベビーいんげんと共に茹で汁で調整しながら全体を絡めます。一人分ずつお皿へ盛り付けたら、お好みでトッピング用の粉チーズをふりかけて出来上がりです。

  「PIATTO PRONTO!,BUONA PETTITO!」

                            《協力:後藤知美さん》